ショコラ~愛することが出来ない女~
「舞は、両親に預けるってもう決めたから」
あなたの子供なのに?
子供より私をとるって言うの?
それであなたは本当に後悔しないの?
頭はちゃんと理性的に働いている。
なのに、感情が暴発してる。
庄司くんは間違ってる。
でもそれを言わせてしまったのは私だ。
駄目なの、駄目なの。これじゃ。
結局幸せになんてなれっこない。
知らなかった。
本当に自分を選んでもらったとき、私はこんな風に傷つくんだ。
「……気づいてないの?」
涙がぼとぼとと落ちる。
拭いてくれようと手を伸ばした彼の動きが、一瞬止まった。
「何を?」
言いたくない。終わりにしたくない。
私は愛情が欲しい。
……でもそれは間違ってる。
頭ではちゃんと分かってるの。
ここのところ、彼に対して感じていた違和感の正体も。