ショコラ~愛することが出来ない女~


「籍もいれようよ、康子さん。もう俺から二度と離れないで」

「う、うん。……でも」


変な意地を張ってしまう私は相変わらず。
でも、そのまま首筋を舐め始める彼に、体の方は言いなりになってくる。


「それも、詩子の誕生日まで待って」

「……なんで?」


彼の舌はどんどん下がってきて、私の鎖骨を捉える。


「……んっ、もうちょっと自信持ちたいから……よ」

「何の自信?」

「あなたが他のことに夢中になっても、キレない自信よ」

「そんなのどうやってつけるのさ」


ゆっくり体を撫で始める手のひら。

ちょっと待ってよ。
ここでこんなことされたらガラス窓から丸見えじゃないの。


「それはこれから考えるわ。もう、ここじゃダメ」

「うわ」


右手で彼の顔を押し返し、胸元に伸びてきた手を叩く。

だけど唇が伝っていった感覚が、ずっと残って私を刺激する。

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