ショコラ~愛することが出来ない女~

使う人間がこだわるようなものには、当然製作者のこだわりもある。
その製作者側にインタビューさせてもらい、製品への想いを聞いてそれを文字にする。

隆二くんのような作り手はたくさんいる。
それは料理の世界じゃなくても。

その人達の想いを、もし私が文字として人に伝えることが出来たなら。

隆二くんに対して、自信が持てるかも知れない。

いつか嫌われるのが怖い、じゃなくて。
もっと好きにさせることが出来るかもって。


そんな考え方を教えてくれたのは隆二くんだ。

ヘタレなところもあるけど、やっぱり彼は凄い。
思いもよらない言葉で、私を惹きつける。


「確認しました。いいですよ。これで行きましょう、康子さん」


森宮ちゃんのオッケーサインに手で丸を作って返す。
この企画も三回目。今回はようやく自分らしい記事がかけたと思ってる。

文具メーカーのイケメン社員がインタビュー相手だったってのもあるかも。
うん、女はなんだかんだとイケメンが好きなのよ。
見てるだけなんだからいいでしょう。


「じゃあ今日は定時で上がるから」

「はい、お疲れ様です」
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