ショコラ~愛することが出来ない女~
「でも子供に罪はないわよ?」
「……それはそうですよね。
すいません。康子さんに当たるような言い方して。
子供の事は確かに気になってるんですよ。だからこそ、まだ離婚出来ずにいる訳で」
「そうよね」
結局、離婚問題って難しいのよね。
人それぞれってところはあるし。他人が口出したって仕方ない部分はある。
私の離婚の原因だって、人に話して分かってもらえるとは思えない。
好きなら我慢すればよかったのにって言われるだけだ。
「康子さんは、離婚する時悩みました?」
「え?」
庄司くんが肘をテーブルについて、グラスを煽る。
自分の事について問いかけられるとは思ってなかったので、少し焦って生唾を飲み込んだ。
「まあ。悩んだ……ってか。そうね。
ブチ切れたってのが正解かも」
「キレたんですか」
「そう。彼は夢を捨てきれなくて、私の話を聞いてくれないから」