ショコラ~愛することが出来ない女~
こういうと語弊があるか?
でも、本当だもの。
私より『ショコラ』を選んだ。
恋は他の人とでも出来るかもしれないけど、自分の夢だけは自分で叶えるしかないものね?
そう思いついてしまって、ますます悔しくなる。
かといって離婚して7年も経っているのに今だにメソメソするなんてプライドに関わるからそれもできない。
「まあ飲みましょうか」
「ええ。飲みましょう」
今だに、この話に触れられると動揺する自分に腹が立つ。
やけ酒の勢いで、それから私はかなりいい勢いで飲んだ。
店を出る頃には千鳥足で、一番意識のしっかりしていた庄司くんがタクシーを呼んでくれた。
順繰りに家を回ることにして、まずは森宮ちゃんちに向かった。
もう寝落ちしてしまってる彼女のカバンから鍵を取り出すのは私の役目。
部屋の中まで彼女を運ぶのは庄司くんの役目だった。
自分もフラフラしつつ、ベッドに彼女を寝かせ、ブラウスのボタンを二つほど外しておく。
スーツが皺になるけど、着替えさせる元気はないし、庄司くんの前でそれをする訳にもいかない。
「いいんじゃない? 行きましょう」
「そうですね。じゃあ次は康子さんのとこで」