ショコラ~愛することが出来ない女~
私は言われるままにソファに座って足を投げ出す。
そこへ庄司くんが床に座って傷口を確認するように足を持ちあげて見た。
傍から見たら女王様の構図だな、これは。
「しみますよ」
「痛っ」
傷口を消毒してばんそうこうを張ってくれた後も、彼は私の足を離さずに、ゆっくりと指先で撫でさすった。
……ぞくぞくする。
酔ってるし、何だか流されてしまいそうな自分が怖い。
「しょ、庄司くん、ありがと。もういいわ」
「まだ返事聞いてないんですが」
「あなた、酔ってる?」
「酔ってますよ。でなきゃこんなこと言えません。
あなたは上司ですからね」
目が威圧的に私を見る。
若干庄司くんのペースになりつつ、彼の言葉からていの良い返答を思いついた。