錬金爆発-アルケミ・エクスプロージョン-

 2人が立ち止まったのは、ちょっとしたコース料理の味わえる品の良いお店──オレンジ色の照明が運ばれてくる料理を美味しそうに演出している。

「いらっしゃいませ」

 入り口のウエイターが上品に腰を曲げ、ローグが予約していた事を告げると席に案内した。

 静かに流れる音楽と、アンティークのテーブルセットがネリネの顔をほころばせる。

 ウエイターは静かにネリネのイスを引き、荷物を預かるとテーブルの下にあるカゴに丁寧に収めた。

 運ばれてくる料理を堪能しながら、お喋りに花を咲かせる。

 とは言っても、喋っているのはほとんどネリネでローグはそれを嫌がらず微笑んで聞き入っていた。

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