錬金爆発-アルケミ・エクスプロージョン-
「それでグラウシス」

「グロウでいいです。言いにくいでしょ」

 ちまっと笑った笑顔にキュンとする。

 まずい──可愛いわ彼、まだ恋愛の対象ではないけれど。

「友達がだめになったのなら彼女を連れてくればよろしいのに、ここは女性にとても人気のデパートなのよ」

「それが……彼女のプレゼントを買いたいから付き合ってくれって友達が言ったから来たんですけど、僕には生憎いなくて」

 あはは……と照れ笑いを浮かべるグロウを見つめて、サラはなんだか少しだけニヤリとした。

「これも何かの縁だわ。また会っていただける?」

「えっ!? ぼ、僕で良ければ」

 番号を交換しサラは帰路に就いた。

< 192 / 203 >

この作品をシェア

pagetop