錬金爆発-アルケミ・エクスプロージョン-

 そうして室内にチャラローグだけになる──

「いてて」

 ローグが小さく呻く。

 少し前から目が覚めていたが、知られるとまた眠らされると思い黙っていた。

「これって完璧に間違えられたんだよな?」

 こっちの世界のローグは何をしたんだ。

 きつく縛られた手足に眉を寄せ、とりあえずの状況を把握しようと気配を探る。

 聞こえてくる音から、街中ではないらしい。

 車の通りもまばらのようだが、道路はすぐそこにあると推測した。


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