〜☆恋愛学園物語☆〜(学園編)
【2年前のリョウ君の記憶】

病院のベッドに、
事故で自分をかばい
怪我をし、

頭に包帯を巻かれ、
寝かせられている、
ダイキ君。

ベッドに寝かせられた
ダイキ君を見て、
悔しげに言う。

「ダイキ…どうして僕を
かばった。」

動かないダイキ君の
握り拳をぎゅっと握り、
ベッドに眠る、
ダイキ君の隅に、
ズシンっと握り拳を、
打ち込む。

かすかに反動でダイキ君が揺れる。

ダイキ君の手を取り、
脳死を疑う、
リョウ君は、
ダイキ君の爪の隙間に、
爪を入れ、確認…。

すると、ダイキ君の体が、かすかに反応する。

眼鏡を掛けたドクターが、入って来て、紙を見せる。

「非常に残念ですが
ご遺族の方ですね?
明日、臓器の提供をして頂けるか、確認しに参りました…」

臓器提供、脳死と判断されると体の提供を、
求められる。

リョウ君は、
下をうつむき、
首を左右に動かす。

「弟が、まだ死んだとは思いません…これをみてください」

リョウ君は、弟の
爪の中に自分の爪をおもいっきり、ぐっと入れる。

かすかに体が反応し、
足が動く。

「弟の臓器を他の方に、移植は、待って貰えませんか?
弟は、脳死ではありません、まだ生きてます!」

ドクターは、
体に確かに動くのを、
目を疑ったように、びっくりした。

「かすかですが…、
動いてます…。
ですがそれだけで、
脳死では無いとは…」

リョウ君は、
ドクターを睨み付け、
押し倒した。

“ドンッ”

「これを見ても、脳死だと言うのでしたら、僕は、弟を連れて帰ります」






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