〜☆恋愛学園物語☆〜(学園編)
「ダイキ君…」

私は傍で泣いている、
かりんちゃんをニ‐ナに頼みうつ伏せに倒れている、
ダイキ君を、
仰向けにした。

「うっ…」

歪むダイキ君の顔、
意識は、はっきりしている。

今ヒ‐リングをかけたら、ダイキ君を助ける事が
出来ると確信し、
意識を
ダイキ君に向けた。

「…菜月…さん…、
来てはダメです…戻って…かりんと…」

かすかに、開いた目から、涙がこぼれ落ちる

「どうして…、
無理するんですかっ…、
一人で…傷だらけで、
人魚姫に立ち向かうなんて…」

ダイキ君は、
痛みをこらえ、
起き上がろうとする、
かずかに震え、
痛みをこらえ。

「…兄…を…兄を助けに」
立ち上がりふらふらする、ダイキ君は、
祭壇の方を向く。

祭壇には人魚姫が、
目の前に居る、
人魚姫と戦うのは、
兄ではなく自分だと、
助けに向かおうとする、
ダイキ君は、止める言葉を聞いていない。

「ん…!?」

人魚姫が、
かすかに何かを感じ取り、運悪くこっちに気付いてしまった。

人魚姫は薄笑い

「その体でここ迄来るとはたいしたものだっ…。
見た所、
兄は来ていないようだが…」

ふっと、宙に浮き、
こっちに向かって来た。

「駄目…、その体で」

私はとっさに、
背中からぎゅっと、
ダイキ君を抱き締めてしまった。

「うぁぁ…」

痛みに苦しみ出す、
ダイキ君。

とっさに手を離すと、
ダイキ君は膝を付き、
抱き締めてしまった、
場所を手で覆う。

「…うっ…」









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