〜☆恋愛学園物語☆〜（学園編）

「…僕は…何の為に生まれてきたの…
大切な人を失い…
助けたかった人を救うことも出来なかった」

私の心の中に確かに聞こえた声。

何かを失い
心を閉ざし悲しみに包まれた、聞いたことの無い
悲しみ…。

迷っている時間は無い…。
「行こう！ダイキ君を助けに」

ﾆ‐ﾅと共に渦の中に飛び込んだっ。

“ｺﾞｫ…ｺﾞｫ…”

体が、
チクチクと痛みが走る…。
『苦しい…心が痛い…
こんなにつらいのは、
はじめてなのに
不安な思いも、
すべて感じる…、
どうしたらいいのか迷っている…』

私の中に、
色々な感情が次々入って来た。

でも、
私はこの悲しみを乗り越えなければ、ダイキ君に会えない気がした。

これはダイキ君そのものが作り出した、
気持ち…だったら乗り越えなければ、
救うことは出来ないと。


「ダイキ君…戻ろう
ダイキ君の居るべき場所はここじゃ無い」

私は心の中で念じた。

「…菜月さん？
どうして
僕は帰りません…
失いました…彼女を
彼女は、
ありがとうと言いながら、ごめんなさいと…僕は彼女を救うこと出来ませんでした…」

ダイキ君の悲しみが、
私の中の勇気づけたい気持ちを、軽く押しのけられた。

誰かの為に必死になり、
誰かの為に努力し
最終的に救うことが出来なかった、ダイキ君の気持ち。
本当に愛した人と結婚出来なかった悲しみ…、
私にはダイキ君の気持ちを受けとめることが、
辛かった。

でも、例え救えなくても、命を捨てて欲しくない
そう思った。

「あなたに生きて
色々な世界を、
世の中を見せてあげる事
まだ、かりんちゃんも
居る…、かりんちゃんは
ダイキ君を待って居るよっ？」