〜☆恋愛学園物語☆〜(学園編)
「ダイキさん、
あなたは人の子、
私は海の子です、
海底で生きるべき人が
海の子と一緒になるのは
おかしい事、
けれどあなたは愛してくださいました。
私はそれだけで幸せです
偽り婚をしてまで、
私を助けようとしてくれた事も忘れません

私が生まれ変わったら、
次は、人としてあなたに
もう一度巡りあいたです
どうか、今の人生を大切にしてください」

人魚姫のかりんさんの声が消え
ダイキ君の悲しみが深まる。

「かりん…今度は絶対に
お前を幸せにする…
僕は…、
帰るべき場所に帰るよっ…かりんも守るから」


その言葉と同時に、
周りがぼわぁ〜っと
明るい光に包まれた。

目が覚めると、
腕から血を流しうづくまるダイキ君の姿があった。

「…うぅ…かりん…」

ぶるぶる震え、
目から大量の涙を流し
耐えきれない悲しみを
背負っている、
ダイキ君の姿を目の辺りにした。

「…ダイキ君」

私は、
ダイキ君の傍に近寄り、
優しく抱き締めた。

「うぅ…」

ダイキ君の涙が、
洋服に涙が落ち…少し冷たかった。

一人で抱え、
愛する人と一緒に幸せになれない、身分違いの恋
生まれ変わったら、
今度こそ、実りますようにと願ってあげたかった。

ダイキ君の一途な思いも、知りつつ私の中に、
ダイキ君に対して意識が強まる…。

腕に意識を集中し
ヒ‐リングを使い
治そうとした。

でも、ダイキ君は
私がヒ‐リングをかけようとしたのを払いのける。

「…うっ…
いいんだっ…こんな痛み
かりんの痛みには、
及(およ)ばない…」

身体の痛み、
まだ完治出来て無くて、
相当痛いはずなのに…。

ダイキ君は立ち上がり
壁をつたい歩き始めた。

「ダイキ君…」

私は、ダイキ君の姿を見て無理やり“ヒ‐リング”を
とも考えた、
けれど傷をつけたのは
闇でもかりんさん…、
ダイキ君は、
病院に行くことも無く、
部屋に戻ろうとしていた。

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