愛の花ひらり
私に会ってみて、使えそうにないから今すぐに辞めろとか言われるのだろうか? それとも、あの居眠り事件!?
要の脳裏に不安な思いがどんどん膨れ上がり、知らぬ間に目の前の社長に再び深々とお辞儀をしていた。
「あ、あのっ! 入社式の時は申し訳ありませんでしたっ!」
「えっ?」
ん? 反応が薄い。もしかするとあの時の事を忘れてしまっているんじゃ――それを私が今ほじくり出してしまったのではと、頭を下げている要の顔色が真っ青になっていく。
余計な事を言ってしまったのかも!
ああ、もう終わりだ――
そう感じた要がギュッと両眼を瞑った時、
「ああ、あの時の居眠り……ね。そういや、お前だったよな」
「へっ!?」
深々と下げていた頭を上げる要の目の前にはニヤリと笑っている社長の姿がある。
暫くの間、要が社長の顔をジッと見つめていると、だんだん首筋に痺れが起こり始めた。
彼の身長は要よりも二十センチ程高い為、見上げないと目が合わせられないのだ。
「しっかし、入社式に堂々と居眠りできるとは、お前も大した女だよな?」
先程、優子と一緒にいた時と態度が違うような気がするが、気のせいだろうか?
いや、気のせいではなかった。
社長は、社長席にドンッと腰を掛けると、デスクの上に乗せてあった一枚の紙きれを手に取った。
「何で、秘書検定のスキルを書かなかった?」
「え、えっと……」
「社長秘書たる者は、間を置かずにさっさと答えろ!」
「は、はいっ! 私は元々営業部を希望していたので、そのスキルは必要じゃないと思いまして……」
「そんなもん、会社側が判断する事だ。取得したスキルは全て履歴書に書くのが前提だろう? それに、お前はまだ書き忘れているのがあるみたいだな?」
「あ、ありましたっけ?」
秘書検定以外は書いたはずだが――そう思った要があっ!と声を上げた。
要の脳裏に不安な思いがどんどん膨れ上がり、知らぬ間に目の前の社長に再び深々とお辞儀をしていた。
「あ、あのっ! 入社式の時は申し訳ありませんでしたっ!」
「えっ?」
ん? 反応が薄い。もしかするとあの時の事を忘れてしまっているんじゃ――それを私が今ほじくり出してしまったのではと、頭を下げている要の顔色が真っ青になっていく。
余計な事を言ってしまったのかも!
ああ、もう終わりだ――
そう感じた要がギュッと両眼を瞑った時、
「ああ、あの時の居眠り……ね。そういや、お前だったよな」
「へっ!?」
深々と下げていた頭を上げる要の目の前にはニヤリと笑っている社長の姿がある。
暫くの間、要が社長の顔をジッと見つめていると、だんだん首筋に痺れが起こり始めた。
彼の身長は要よりも二十センチ程高い為、見上げないと目が合わせられないのだ。
「しっかし、入社式に堂々と居眠りできるとは、お前も大した女だよな?」
先程、優子と一緒にいた時と態度が違うような気がするが、気のせいだろうか?
いや、気のせいではなかった。
社長は、社長席にドンッと腰を掛けると、デスクの上に乗せてあった一枚の紙きれを手に取った。
「何で、秘書検定のスキルを書かなかった?」
「え、えっと……」
「社長秘書たる者は、間を置かずにさっさと答えろ!」
「は、はいっ! 私は元々営業部を希望していたので、そのスキルは必要じゃないと思いまして……」
「そんなもん、会社側が判断する事だ。取得したスキルは全て履歴書に書くのが前提だろう? それに、お前はまだ書き忘れているのがあるみたいだな?」
「あ、ありましたっけ?」
秘書検定以外は書いたはずだが――そう思った要があっ!と声を上げた。