今日で終わりにしてくれますか
交差する線




最初は本当に、彼女が好きだった


『どうしたの?気分悪い??』


唯一私を、外見や噂なんて関係なく接してくれた彼女が、好きだった

始まりは入学式

同中だった子に背中を押され、階段から落ちて蹲っていた私に手を差し伸べてくれた優しくて、温かくて

女神のようなあの子

いつの間にか、彼女だけを目で追っていた



私だって女だ

ちゃんと恋愛だって場数を踏んでいる

普通に男と付き合っていたし、別段女が好きなワケではなかった

・・・・なかったのに


『颯人』


彼女の口から聞こえてくる男の名前が、大嫌いだった

消したいといつも思っていた


< 107 / 277 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop