今日で終わりにしてくれますか




「アンタに私の何が分かるワケ?!」

「残念だけど、何も分かんねぇよ。アンタだって、いま俺が何考えてるか」


分かるか?


そう言った庵に瞳は、冷たくて

まるで、ジャックナイフのようだと思った


こんな庵は、初めてだ

確かに私達の仲はせいぜい3日目だけど、結構一緒にいる時間が多かったから、心の中では何年来の親友のように感じる

普段は優しい庵でも、怒ることはあるんだ


ボケーっと考えていたことに気づいて、慌てて首を振った


「・・・・・っ」

「紅鈴、さっさと持って行こうぜ。準備に戻んねぇと之木うるさいだろ?」


いきなり問われたものだから、一瞬何のことだか回転せず、数秒遅れて返事をした


「あ、うん・・・・っ」


やっぱり、優しいのになあ・・・・



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