今日で終わりにしてくれますか





色水なんて見ても、虚しいだけだ


「あかり、泣いて・・・・」

「だいじょー、ぶ。いこ?」


なるべく庵には心配を掛けたくない

屋上から立ち去るまでは、少しでも私を見ないで欲しい

帰ったら、思いっきり泣くから

それまでは、少しでも待って


彼の掌から伝わる体温に、何度泣きそうになったことだか私は知らない

だって、数えられないんだもの



ギィィイイイイ



「――――はぁっ、や!」


哀しいことが、起こりすぎて


目を疑うような光景が視界いっぱいに広がっている、という事実は把握している

それでも私の網膜には、この前にみたいに悲惨な焼き付き方をする気配はなく、冷静にことを眺めて

まるで傍観者だ



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