今日で終わりにしてくれますか
私は、単に颯人に依存しているだけなのではないだろうか
冷静に考えてみると、そうなのかもしれない
一歩一歩と颯人に近づくたびに止まりそうだった心臓は、今ではもう正常に動いている
なんだ
私、勘違いしてたのか
「・・・・橘くん」
「・・・・ぇ。あか、り・・・・?」
血の気が引いていく音を聞いて、私はにこりと微笑みながら颯人を見る
浮気相手の女は片手で肌蹴たシャツをまとめ、そそくさと屋上から逃げていった
ああ、やっぱり馬鹿みたい
「あのね、楓・・・・ああ。実行委員が働けって言ってた」
「あかり」
「文化祭くらいサボらず行ってくださいね。私これでも学級委員なんで」
「あかり」
「では、私は帰るので」
消え入りそうな声で私の名を呼ぶ颯人
そんな颯人を見なかったことにして、私は間髪入れずに伝えたいことを零した
だって、私にそれ以外の用なんて無いもの