今日で終わりにしてくれますか




でも、そんな重たい気持ちも

この人に話しただけで、少しだけすっきりした気がした


なんだ、私

吹っ切ること、出来たんじゃん

いまは確かに無理なのかもしれない

それでも、颯人のこと、忘れられるかもしれないってことでしょ?


なんだ、なんだ


「いお、り」

「ん?」


落ち着いても尚、私の頭を撫で続ける彼は、顔に笑顔を浮かべながら私の声に応えてくれる

やっぱり、温かいし優しい

もしかしたら私は、この人がいないとダメになるのかもしれない


・・・・うん

それはちょっと遠慮したいかな


「紅鈴は紅鈴だ。確かに時と場合によれば、身を引かなきゃいけないときだってある。でもな、オマエの感情を、他人の為に抑える必要なんてないだろ。だってこれは」


オマエの、気持ちだろ


この関係を望んだのも、橘颯人っていう人間が好きなのも、この感情を捨てきれないのも、アイツらに迷惑掛けたくないのも、俺に頼りたいのも

全て、オマエの選択肢だ


そう言って、私に言い聞かせてくれる庵に何度救われたのか、ここ何週間かの関係なのに、ずっと前から私の支えになってくれてるみたいで

だから、安心するんだろうな、なんて

彼の胸の中で目を瞑ってじっとその鼓動を聞いていた




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