今日で終わりにしてくれますか
彼女を俺から取り上げるヤツは、全員俺にとって敵でしかない
それが例えば
”颯人、紅鈴に―――――”
女であったとしても
保身の為にとった行動は全て仇となる
気づかぬ内に泥沼にはまって、抜け出せなくなった自分は他人に罪をなすりつけることも出来ぬまま、ただ自業自得だと蔑まれ
次第に、多くのモノを無くしていくのだろう
――――彼女は、紅鈴は
本当は俺のこと、イラナイんじゃないのか?
認めたくない考えが脳裏を過って、咄嗟に頭を左右に振る
顔を上げ、空を見上げると
まるで自分を嘲笑っているかの如く青くて、彼女に似た空がただただ憎らしかった
視界さえも真っ黒に染まってしまえば
『そんな颯人クンに最悪な情報を教えてあげよう』
『紅鈴ちゃん、他の男とやけに親しそうだったぞ?』
全て、なかったことになるのに