今日で終わりにしてくれますか
「殴れよ!!!!」
こんなにまで彼女を理解している漆黒の男は、彼女を愛している
俺と、同じように
ああ、どうしたことだろうか
あまりの興奮に堪え切れなくなって、思いっきり叫ぶ
殴れ殴れ殴れ
俺を最低だって罵れ
そしたらお前も、俺と同じ最低になれるから
なってくれたら紅鈴は、もうオマエに近づかないだろ?
「なあ、返せよ!俺の紅鈴返せって!!!さっさと殴れよなあ!オイ!!!!」
「殴らねーよ」
「殴れっつってんだろ!!!!」
意味のない問答を繰り返す俺たち
さっきから同じ答えしか返ってきていないことに、気づいているのだろうか
俺たちは
冷静な男と反対に逆上している俺
傍から見たら、コレはどういう状況なんだろう
ただの、修羅場ととられるのだろうか