今日で終わりにしてくれますか



何でコイツ泣いてんだよ

いつもいつも、園崎に向かって笑ってんじゃねーか

クラスのヤツにも、他の友達にも、アンタが関わっている人間に全て笑みを―――――


・・・・・本当に?

彼女は、本当に笑っていたのだろうか

彼女の友達だと思われる女なんて、園崎以外に存在したことが、あった?


答えは否

だって目の前の彼女は、今まさに溜めこんできた汚いもの全てを洗い流そうとしてるのだから

彼女は、たくさんのモノを背負いすぎた


「なん、で・・・・私、なにもしてない・・・」


小さく呟く彼女が、とても痛々しい

その背中を抱きしめたいと感じた俺は


橘と同じ人間だと言われてしまうのだろうか

自分の中の答えが分からない。分かっているのはただ、目の前の小さな少女を守りたい、支えたい

そんな初めての感情だけ


「・・・・ハンカチ、使えよ」

「っっ、ふえ、ぅ?」


彼女が声を出さないように、俺が見ていないことにするために、持っていたハンカチを彼女の顔に押しつけて、隣に座った



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