今日で終わりにしてくれますか



その姿に、驚いてしまった

もうすでに、橘が望む形に”コワレタ”彼女が俺の前に存在していて


素直に女に殴られようとしていた


『ね、私って何なんですか?!おし、教えてよ!!!!』


綺麗に壊れた彼女は、誰にも直すことが出来ないほどぐちゃぐちゃになっていて

それは勿論、彼氏である橘颯人でさえも彼女に触れることは出来なかったらしい


『庵ー!ちょっと待ってよ!』


俺が直せば、彼女はアイツの元に戻らず、普通に平和に、元の生活を送れるのだろうと確信して


『い、おり・・・・っ!たすけ、て』


彼女に、他人に救いを求めることを覚えさせた

あの頃のように

全部じゃなくていいから、少しずつ吐き出して欲しくて

だからこそ今日、初めて橘颯人という人間と話をしたのだ













「―――――――紅鈴」

「あ!庵、遅いぞー」


頬を膨らませながら、何処か怒ったような雰囲気を醸し出す

怒ってもないクセに、なんだろうホント




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