今日で終わりにしてくれますか





え、これどうしよう

反応した方がいいのかな・・・・


じゃり、足場を悪くしている石たちのせいで、無心で立ち去ろうとしていた私に視線が向けられた

う、運が悪すぎるよ!


『ど、どうも・・・・』


こんばんわ


そう言ってにこりと笑ったのが、最初の彼女との出会いだった




それから入学式になり、突然何処かの教室に連れ込まれたかと思えば『お茶をしましょう』と微笑む昨日見た彼女の”友達”なる関係になった

意味もなくこの教室に入り浸り、1人寂しそうな香恋さんとお話をする

彼女はいつも理解されなくて孤独で、かと言えば1人だけ理解者が存在していた



「網走さん、今日は居ないんですか?」


それが、彼女の執事である網走泉(あばしり ぜん)

彼女が最初に、あの男と呟いていた人間である



「・・・・、知らないわよ。あんな男」

「もう、本当に素直じゃないですね」


この人は、素直という言葉があまりにも似合わない



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