今日で終わりにしてくれますか



そんな私を、認めてくれたのが庵だった


だから、もう終わりに出来るかもしれないと思ったんだ


「あかり」

「香恋さん、私、いますっごく幸せなんです。香恋さんや網走さんとここで話すことも、唯一の友達だった百合亜と放課後に遊ぶことも、やっとできた大切な人とこの時間を過ごすことも」


それに、やっと気づけたから


「そんないまを、自分を大切にしたいと思えるようになったんです」


思えば、矛盾していた

アイツに依存するならば、私自身の世界を切り離さなきゃやっていられなかったはずなのに

それでも私は、外の世界を欲していた

最初から、分かっていたじゃないか




・・・そういえば、何で私、アイツに依存しようとしてたんだっけ



故意に作られたものだと気づかない私は、蜘蛛の罠から逃げ出して、元いた空へと帰るのだろうか

蝶々は、自分の一生を辿れたのだろうか

自分が最も望む、最善へと



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