今日で終わりにしてくれますか



もがくのはこりごり。これで、終局にさせたい


「・・・・・少し寂しいけれど、あかりがそう感じてくれるようになったのならそれでいいわ」

「・・・・」

「私も、あかりに救われたから。やっと恩返しが出来たってことね」


微笑む香恋さんに、それは違うのだと伝えたかった

私が望んで貴女の隣にいたんですよ

ずっと、挫けず前を進めたのは香恋さんのおかげってこともあったんです

楽しいって気づかなかったのは私で、貴女が何かを想う必要なんて、ないんです


いつか、網走さんに言われた言葉を思い出した


『俺の主人を、香恋を頼む。アンタにとっては邪魔かもしれないが、それでも利用価値はあるだろう?アイツにはアンタみたいな人間が必要なんだ』


違うよ網走さん

私だって、選んでこの人の隣にいるんだよ

この人が好きだから、一緒にいるんだ


「香恋さん、違います。私も香恋さんが好きだから一緒にいるんです。メリットデメリットとか、香恋さんのいる世界の話をしてるんじゃないんです」

「あ、あかり?」

「それでも、楽しかったから!」


最初は確かに無理を強いられたと思った

拒否したいけど、それは流石にできる行為ではない

嬉しそうな顔をする香恋さんを見ていたら、いつの間にかそう思ってた



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