今日で終わりにしてくれますか






君が残した甘い毒は、まだまだ私を侵すから


そして今日も私はこの思いを抱いたまま、


「────っ」


終わりを告げることが出来ない


「、ごめん!!」


ふわりと、暖かな何かに抱き締められる。彼の腕の中は予想以上に暖かくて、優しくて。その温もりだけで


「っ、」


泣けてきてしまうものだった


嗚呼、嫌だ

この人の前で泣くだなんて。消えたいほど、嫌だ


でも、そんな貴方に少しだけ楽になってしまったと言ったならば、貴方はまた、私のことを最低な人間だと罵るだろうか

颯人に言うのだろうか


穂束紅鈴という人間はロクでも無い、と。淡々と言って退けるのだろうか


そうすればいい、そうしたらいい

弱い私は、逃げて言葉を紡ぐことが出来ないから。逃げ出したいんだ。本来、私が言わなくちゃいけないこと全てから


そうしないともう、動けないから


「・・・ごめん、そんなつもりなかった。泣かせる気も、壊す気もなかった」


分かってるよ。貴方はただ、私に忠告しにきただけでしょう?

これ以上、颯人の傍にいることを、止めるように。傷つかないように


アイツを傷つけないように



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