今日で終わりにしてくれますか





なんとも形容しがたい感情に苛まれ、ハラハラというか、デジャブというか、見てはならないモノを見てしまった感が否めない私は、口の端を引き吊らせながらその場をじっと見ていた


てゆうか、私の前とこの人たちの前での態度、違くないか。昨日のアレと似ていないだろうか


・・・・似てるねぇ


現実逃避したくなる思考に溜め息を吐いた。似たような人に助けられるだなんて、世の中って狭いな

あ、私の世界だけかもしれない


『穂束さん呼んで何したかったワケ?』

『わ、私らはただ!』

『別れろって?』

『そ、そういうことじゃ』

『変わんねぇよ。同じことだろ』


御託並べんなよ。その顔潰したくなるだろ


聞いている人全員を顔真っ青にさせそうな言葉を吐いた瞬間、この空間だけに異常な冷気が漂った


こういうトコロ、庵とは全く違う。彼は暴力的な場面を一切見せないから

正確に言えば、私に見せないようにしているから


『・・・・・』


残酷に優しい、彼は優しい

汚い私とは違って、真っ黒だけど綺麗だ。私の取り繕った善意よりもよっぽど、大切なモノ


だけど、私が知っている残酷な優しさよりも、私に優しいのかもしれない。そんな気がしてならない

・・・・なんて、言ってみたりして



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