今日で終わりにしてくれますか





『それにオマエら知ってるか?これ、』


あの橘颯人のオンナだぞ


妙に引っ掛かる台詞を青ざめる彼女たちに投下。するとその顔がもっと青くなっていって


え?え?

だ、大丈夫ですか


『あ、あ・・・・』

『馬鹿だな。忘れんなよ。これ、かなり強敵だって知ってるだろ。後ろの人間も黙ってないんじゃね?』


後ろの人間?

一体、誰のことだろう


首を傾げて考えながらその光景を飽きることなくじっと見つめる。全く持って理解が追い付かない。該当する答えが、浮かび上がらないから

ふ、と前にいる女の子の1人と目が合う。するとどうしたのか身体をガタガタと大袈裟に震わせ、勢いよく後退し出した


え、え?


『カナ、わ、私抜ける!!』

『ごめんあたしも!』

『は!?裏切るの?!』

『だって颯人に縁切られたくないし』


どういうことなのか分からないが、彼女達はこの男の言葉により、この場から去るという選択肢を取ったらしい


1人の女の子を除いて


『そうよ。神原くん、颯人の友達じゃん!今まで誰も颯人に報告してなかったけど、バレたら絶対私ら終わりだよ?』

『それは、』


さっきから彼女達が口々に発している言葉が、私には理解出来ない。颯人が何故、そこで出てくるのか

てゆうか、やっぱりこのことアイツに言ってなかったのか。今さら納得してしまった。同時に、安心もしてしまって


良かった。知ってて傍に置いてるワケじゃないんだ

私が傷つくことを嬉々として傍観しているワケじゃないんだ



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