今日で終わりにしてくれますか





私はどう転んでも彼女のようになれない。この男が言うように、浮気の1つくらいできる人間だったら良かったのに、そうしたら私も最低だったのに


彼女たちを傷つけなくて、済んだかもしれないのに


『・・・・・穂束さん』

『何か、用ですか』


でもね、そんな綺麗事は言えないんだ。だって結局、私は百合亜やみーちゃん達が大事で、何よりも傷つけたくない


そんな我儘を言っている暇なんて何処にもないのだ。偽善者になる必要も言われも、存在しないハズだ


だから私だって、自己満足のために彼女たちを傷つける


『アンタのこと、知りたいんだけど』


妙に真剣な顔をする男に、意図も何もかも飛んでいって、ああ、この人なら信用してもいいかしない、だなんて


あのときは、何の気なしに頷いてた






─────────





「それで?今日は何を聞きたいの?」


達貴くんは1日1つ、私のことを聞いてくる。彼の出した条件はこうだ


私のことを知ってから颯人に話をつけにいく。そんな簡単なものだった。聞き終わった後に彼がどうするのかなんて、私には分からない

これがきっかけで築いてきたものが壊れるかもしれない。でももう、そんなことどうだっていい


とっくに私の中では整理できている話だから



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