今日で終わりにしてくれますか
『(気持ち、悪い)』
鳥肌がたって、昔の光景がフラッシュバックして、込み上げてくる中身を止めようと口に手を当てた
自分も同じような人間になるのではないかと、知らず知らず自分が怖くなっていた
そうしてどんどん私は、私と言う人格であることを放棄するようになっていた
「い、居ないって伝えて」
「紅鈴」
「ご、めん。用事あるから帰るね」
「あかり!!!」
背を向けた後ろから、百合亜の叫び声が聞こえる。けどごめん。私には無理だ。この空間にいることさえ辛い
大勢の人から与えられるその視線は、苦痛以外の何物でもない。いくら百合亜と一緒でも、耐えられないんだ
培われてきたソレは、崩壊するには簡単で
「(消えたい)」
もう何も考えたく無いと叫んで、白い世界へ飛び込んだ
「は、っぁ・・・・・はあっ」
白い吐息が周辺に舞う。肌に赤みが差し、指がかじかんだ
誰もいない空間。白い雪が降り重なった、孤独で透明、純粋で汚れの無い場所。何故かこの空間に存在していることが、酷く落ち着く
自分は、何がしたかったのだろうか