今日で終わりにしてくれますか






後悔しか積もらないその行為を働くことで、何を得たかったのだろう


「・・・・・」


何故動いた。何故、彼を助けようと思った。それらの問いに対して、答えはどうやっても【自己満足】以外の何も浮かばなくて


それ以外のモノを探し出そうとすれば、見えるのは【あの人と同じ】だということだけ。自分も気味の悪い人間になるのだと、下世話な解答しか分からなかった


「・・・・はぁ、」


白の世界で、真っ白な息を吐く


時間帯的に誰もいないこの道は、時が止まったように見える。誰も通らないことをいいことに、コートを羽織っただけの身体で、雪の中に埋もれて目を閉じた


分かって、いるんだ


私は、母のことを理解することすら出来ていないことに。そんな私が母を悪く言う権利なんてないことも、全部


本当は、分かっている


分かっていても認められない。まだ私は、駄々をこねる子供でいたい。母が私のことを考えてくれているんだって知ってる


それでも、重ねてきた思い出から、拒否反応が止まらなくて


ごめんね、ごめん、お母さん


「もう、嫌だ・・・・」


白の底に埋もれて、墜ちて堕ちて、何も見えなくなればいいのに


見たくないの。疲れたの。視線も、周りの人達も、意味の分からない期待だって



< 248 / 277 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop