今日で終わりにしてくれますか




誰も要らないと思ってしまったはずなのに、それでも縋ってしまう私。凄く大事な百合亜さえも、意識から抜け落ちていたのに


現金な私は、たったそれだけで嬉しくて。欲張りだ。逃げたくせに、目を背けたのに


なのに、こんな感情を手にいれていいのかな


「紅鈴の親友はあたし。一番に頼ってくるのもあたし。そう思ってたのに、変わっちゃったんだから」

「ゆりあ」

「寂しくも、なるわよ」


だから、素直に喜んで


その柔らかな笑みが、私の心情や彼女の心を表しているみたいだった。結局私は、百合亜が好きなのだ


「あのね、その人の名前、橘ハヤトって言うの。名前の漢字は知らないんだけどね」

「へぇ」

「でも、何で私がお世話になってるって思ったの?」


普通なら、そんなことにまで気づけないはずだ。ま、まさか百合亜さんストーカーでもしてるんじゃ、


「アンタが人の名前を出すときは、大抵お世話になった人なの。失礼なこと考えないでくれる?」

「う、ご、ごめん」


そ、そうなんだ。そっか、お世話になった人だけか


あんまり人と関わるの好きじゃないし、そうなのかも。全然気づかなかった。流石百合亜


「タチバナハヤト、ね」


呟く声が室内に消えた





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