今日で終わりにしてくれますか




あ、ああ!当たっちゃってる!横の席の人当たってる!


「須加、テメェ・・・・」

「はいはいちょいと時間頂戴ねー」

「須加ぁああああああああああああ!」

「穂束のために時間使うからーっと、あった。ほい」


やる、と言われて差し出された教科書。やはり、半年以上使われた教科書は少しだけ色が薄れて、端が折れている


「須加くん、綺麗に使ってるね」

「ん?そうか??」

「うん。私より綺麗かも」


感心したように彼を見る


私の教科書は、もっと酷いことになっているからなおさら思ったり。使い込んでるって言えば聞こえがいいけれど、結構ぐしゃぐしゃだし、教科書への書き込みが酷い

それだけ、勉強したって証拠なのだろうけど


でも、そんなに勉強したような気もしないし

だから、余計に須賀くんの教科書に注目しちゃったんだろうかと思う


「ありがとう。丁寧に使わせてもらうね」

「えー、ああ、いいよ。雑に扱っちゃって」


へらりと笑って、片手を軽く振った須賀くんを見てから、急いで自分の教室に戻った


ヤバい、予習してない


数学、頑張らなければ。期末テスト間に合うかなぁ・・・・


そう考えて、はっとした


そういえば、颯人って学校に行っているのだろうか


「(サボり・・・・?)」


そんなわけないだろうけれど



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