今日で終わりにしてくれますか
カチ、カチ
シャープペンシルの中にある芯を出すためにノックを押す。ぼーっとして考えているときに、私がよくする癖だと百合亜が言っていたのを覚えている
颯人は、私にとって何なのだろう。そしてあの人は、何処の学校の人で、いつも何をしているのだろう
考えてみたって、颯人が言うであろう答えが見えすぎていて、聞く気になれない。多分彼は、またあの笑顔で
「(誤魔化して、傷ついてしまうんだろうなぁ)」
ずっとそれだけが頭にあって
あの大嫌いな笑顔で、言うんじゃないかって
悩まなくてもいいことを悩んで
「あ、そうか」
そうして、はた、と考えたら、いつの間にか私は、彼のことを好いていたらしい。ほんの些細なことだけれど、頭で理解出来たのはそれだけだった
その好意は、まだ大きなものではないけれど
そんなことで悩むくらいは、彼を気にしているみたいだった
けれど私は、彼が思うような愛は返せない。付き合う前、時折見せる暗い色に私は、一緒に染まることは出来ない、と思っていたから
何故かそれだけは頭の中にあった
ひとまず分かったのは、私の中の颯人への認識だ
他は何も分からないまま
まぁ、本人に聞かないと何も分からないことくらい知ってるけれど。私も、聞く気になれないし