今日で終わりにしてくれますか
浅ましい夢を見る方が間違っている
彼女のその言葉に苦笑いを浮かべ、吐き捨てるように言葉を紡ぐ
「出来るよ、アイツなら」
あの、最低男なら
今度こそ振り切って、逃げ切れるところまで逃げてやる
これ以上アイツに捕まっておけるものか
犠牲者になるのはもうこりごり
私はただ、アイツの特別になりたかったのだ
こんな扱いを受けたかったわけじゃない
「ご自由に。あたしはアイツに言いたいのよ」
にこりと笑う百合亜の背には、黒いモノがあった