ENDLESS LOVE MAZE
起こそうとした体をまた倒されて、今度こそ怒鳴ろうと思った口を、塞がれた。
鼻腔を擽る、千崎の甘い匂い。
抵抗しようとした手を、いとも簡単に押さえられた。
「・・・・・・梓ちゃんは、ずっと本城君に縋ってるんだね」
「・・・・・・・・・何が言いたいの?」
濡れた唇を、白い指がなぞる。
「梓ちゃんって、本城君以外の男に抱かれた事って、ないでしょ」
千崎を渾身の眼力で睨んで見せる。
何も言わないのは、それが事実だからだ。
要以外の男に体を許したことなんて、かつて今まで一度たりともない。
勿論、千崎のように私を甘い言葉で誘う男なんて山ほど居たが、皆仮面を剥がした私に幻滅して、すぐに手を離すのが大抵だ。
「図星?」
「当たり前でしょ」
千崎の質がいい髪が顔にかかる。
鬱陶しい。一刻も早くここから逃げ出したい。
「俺に抱かれたら俺の事が好きになるかもよ?」
「それは無いわ。早くどいて」
千崎は余裕に笑う。
また重ねられる唇を甘受して、侵入してくる舌を噛もうと思った。