ENDLESS LOVE MAZE
「凛堂家を担う貴女なら、解るわよね?」
緑さんの一際低い声が、私の耳元で囁かれた。
心臓が鷲掴みされたというくらい、悲鳴をあげ始める。
「・・・これから千崎グループは成長するわ。要さんも稀に無いくらいの実力者だけども、千崎グループの波には着いていけないと思うの」
つまり、何だ。
こいつは、私に“千崎蒼人”を選べ、と言っているのか。
「でも、私には要さんが・・・・・・」
笑顔を貼り付けながらそう小さく言うと、私の首に生暖かいものが巻きついた。
苦労一つ知らない、滑らかな指。
「要さんが、何?」
ぎり、とその指が首に食い込む。
途端に走る嗚咽感に、思わず咽込んだ。
「貴女は要さんを選ぶつもり?」
「やっ、め・・・・・・・っ!!」
ぎりぎりと食い込んでくる指が、私の首を絞めあげる。