ENDLESS LOVE MAZE



「凛堂家を担う貴女なら、解るわよね?」


緑さんの一際低い声が、私の耳元で囁かれた。


心臓が鷲掴みされたというくらい、悲鳴をあげ始める。



「・・・これから千崎グループは成長するわ。要さんも稀に無いくらいの実力者だけども、千崎グループの波には着いていけないと思うの」


つまり、何だ。

こいつは、私に“千崎蒼人”を選べ、と言っているのか。



「でも、私には要さんが・・・・・・」


笑顔を貼り付けながらそう小さく言うと、私の首に生暖かいものが巻きついた。

苦労一つ知らない、滑らかな指。



「要さんが、何?」


ぎり、とその指が首に食い込む。

途端に走る嗚咽感に、思わず咽込んだ。


「貴女は要さんを選ぶつもり?」

「やっ、め・・・・・・・っ!!」


ぎりぎりと食い込んでくる指が、私の首を絞めあげる。



< 34 / 125 >

この作品をシェア

pagetop