ENDLESS LOVE MAZE
「・・・・・・・はっ、」
緑さんは、憎悪に満ち溢れた、冷ややかな目で私を見下ろしながら、離れた。
力が抜けて、床に倒れこむ。
「明日。明日よ。貴女の判断で、全てが変わるんだから。いいわね?」
緑さんはおぞましい声で、そう吐き捨てながら私から去っていく。
喉が熱い。
ひっくり返った机のスープが床に零れる。
酸素を吸い込みながら、せり上がる吐き気を堪え、床に蹲った。
緑さんの、ヒステリー。
時々、緑さんは仕事のストレスが溜まると、大体私にぶつけてくるんだ。
それは、小さい頃から、ずっと。
毎日ではないから、周囲にも気付かれないし、死ぬほど辛くない。
“血が繋がってないくせに”、“苦労もしないでのうのうと生きてるくせに”、
それはきっと、お互い同じ。
だから、苦にならない。
「・・・・・・梓・・・・、」
私を起こす、愛しい声。
口元を拭かれ、動かないままの私を持ち上げる。