ENDLESS LOVE MAZE



千崎が私の口内を荒らす艶かしい感触に、ぞくりと鳥肌がたった。


「・・・・・・ねぇ、梓ちゃん」

「っ、・・・・・・・・」


千崎が私の腕を離す。



「俺に、楽しい余興を見せてよ。足掻いて、足掻いて、俺との婚約を破棄して見せてよ」

「は・・・・・・・・・?」

「一週間だけ、あげる。それまで俺が、あの短気なおばさんの期間を引き伸ばす。

だけど、その一週間のうちで君が何も出来なかったら、俺が君と結婚する。
逆に、俺との婚約を破棄できるなら、してみてよ」


ソファにへたり込んだ私に、千崎は舌なめずりをしながら、笑って言った。


「だって、俺との婚約はほとんど決定でしょ?緑、っていうおばさん、今俺の家に行くために出かけてるんだから」

「千崎の家に?!」

「うん。挨拶なんだって。」



本気で、こいつはそんなことを言っているのだろうか。

これは、本当なのか。



「そんなの、」

「本城と結婚したいんでしょ?じゃあ、おばさんを説得してみたら?それか、家出でもしてみたら?」


たのしい余興をみせてね、千崎は楽しげに笑った。



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