ENDLESS LOVE MAZE
「わかめ・・・・・・」
「梓ちゃんって、海に浮かんでる海草にもびびるの?」
「だって、気色悪いじゃない!」
立ち上がる。
勿論私の服、ましてや下着すらもずぶ濡れな訳で。
「・・・・・・・・・・どうするの?」
「・・・・・えぇ、どうしようかしら」
「とりあえず、帰ろうか」
千崎は濡れた私を苦笑しながら見て、手を取った。
「俺の会社においでよ」
「会社?」
「そう。そこなら着替えも置いてあるし」
手を引かれながら、私は砂浜に出る。
色が濃くなっていく太陽が、すぐ近くにあるみたいだった。
まだ、帰りたくない。
そう切実に思ったのは、千崎に言わない。
「面白いでしょ、外もなかなか」
車内に置いてあったタオルを差し伸べながら、千崎は笑った。