ENDLESS LOVE MAZE
「きゃ?!」
すると、私の体はソファに倒された。
急な回転に頭がついていけず、数秒固まってしまう。
見上げると、不敵な笑みを漏らしている千崎の顔。
「・・・・・・何するのよ」
千崎は少し笑って、続けた。
「本城君が帰ってくるのは、何時?」
「はぁ?・・・・・・・さぁ、九時くらいかしら」
「九時までずっと、あの部屋で一人なの?」
私を覗く、千崎の憐れんだ瞳。
それを睨んで、私は起き上がろうとした。
「梓ちゃんは、本城君が帰ってくるまで、ずっとひとりなの?」
馬鹿にされたみたいだった。
まるで、私が要に縋ってる、寂しい人だと言うように。
「・・・要以外に、誰かの介入なんていらないわ」
「そうやって、ずっと本城君に縋ってるんでしょう?」
まだ温もりを帯びている髪を指に絡めて、千崎は綺麗な顔を私に向けた。
どこまでも、嫌な奴だ。