アタシとカレの時間。
「あ、和乃。」
久しぶりに自分に向けられた声は記憶より低くて、心地好かった。
「これ、どういうこと?」
智志が軽く聞いてきた。
「そんなことあたしにわかるか!」
思わず突っ込む。
「…だよなー。」
智志は軽く溜め息をつく。
そして、近場の階段に移動して座る。
「座れば?」
軽く言われ、言葉に詰まる。
拒否しようもないので、大人しく座った。
「……。」
だけど、智志が座る段より数段高いところに座る。
智志は軽く振り向き、爆弾発言を放った。
「そこにいるとスカートの中見えるけど?」
慌て階段を降りる。
無難な智志と同じ場所に座った。
そして、智志を睨む。
見ていいのか、とでもいうような口調で言った奴を。
「高校生なんだから、気にしろよ。」