リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『鬼畜』・1
そんなことを考えている間にも、ご主人様のキスは続く。

何度も弾むようなキスをされて、思わず開いてしまった唇に、深く口付けされる。

「んっ、ふっ…」

こんなとろけそうなほど甘いキスをされると、拒絶したい心が一瞬、消えそうになってしまう。

けれど呑まれてはいけない。

コイツはあたしの人生をメチャクチャにしたヤツなんだから…!



―思い出す。

あたしがまだ、高校入学したての時に、コイツのことを知った。

コイツはこの高校の生徒会長で、入学式の時に壇上で挨拶をした。

その後、コイツが恐怖政治を行なっていることも知る。

何でもこの超がつくほどの名門校を経営する一族の者で、将来は世界を相手にビジネスをするであろう、器の持ち主だと、評判だった。

あたしがそんな名門校に入学したのは、ただ成績が優秀だったから、それだけの理由だった。

中学三年の時、この学校のスカウトの人がウチに来て、金銭面な部分は全て免除にするので、入学しないかと誘ってきたのだ。
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