リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『鬼畜』・1
今まで手に入れられない物など、なかった人生を送ってきたんだろうな。

けれどここで、気持ちばかりは逆らう姿を見せるあたしが現れた―と。

「…あたしとしては、もうそろそろ飽きてくれないかと思っているんですけど」

「俺がお前を見放して、今までのような生活を送れると思っているのか?」

「うっ!」

学校のことはともかく、実家の仕事の方は困る。

「……じゃあ形だけでも、心までお仕えしているようにした方が良いですか?」

するとご主人様の目線が、厳しいものへと変わる。

「下手な演技はしない方が、身の為だ」

ううっ…!

ヘビだ、ヘビがあたしの目の前にいる!

そしてあたしはカエルになった気分になるのだ…。

そもそも美形が怒ると、迫力があって怖い。

コレが余計に、逆らえなくさせる。

「じゃあ…このままで、ご主人様の気が済むまでいた方が良いってことですか?」

「まあそれも楽しそうだが」
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