【完】サクラのうた ‐桜庭 大雅‐
「あーやちゃん、一緒に帰ろっ!!」
「わっ…桜庭さんっ…!?」
…お、けっこー驚いた?
よし、今度から毎回後ろから突入しようっと。
「驚いた顔も可愛いねー」
「…何言ってるんですか」
あはは、冷たい。
なんだか出会ってすぐの真由ちゃんを思い出すなぁ。
俺のことを常に警戒して、それで呆れたような、怒ったような顔で。
…って、今怒ったような顔してんじゃん。
「あー…」
…その顔をジッと見て、気付く。
昔よりほっそりしてるし、大人っぽくもなったけど。
でも、間違いない。
「…やっぱり、キミはあのサクライ アヤだったんだね」