【完】サクラのうた ‐桜庭 大雅‐


「はい、桜井です」

「そっか、同じ学校だったんだ。
懐かしいね、元気そうでよかったよ」


……って、おい。 なんで急に二人で盛り上がるの?

つーか面識ありだったわけ?
昔と全然違うのに、朔ちゃんは一発でサクライ アヤに気付いたわけ?


「…朔ちゃん、知り合いだったの?」

「あ、うん。中学の時、時々会って話してたんだ」


…なんだそれ。
つーか綾ちゃん、朔ちゃんのこと見ながら顔真っ赤にしてるし。


あー…つまり、綾ちゃんは朔ちゃんに惚れてるってこと?


………。


「…ごめん、先帰るわ。
あぁ朔ちゃん、この子のことよろしくね」

「え?」

「久しぶりに会ったなら話したいこともいっぱいあるっしょー?
だからお邪魔虫は退散!
綾ちゃん、今度はもっと高級なお店でご飯しようね」


…まぁ、今度は無いかもしれないけど。




「じゃーねー」


と全員に手を振って、そしていつものように笑ってファミレスを後にした。




< 21 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop