【完】サクラのうた ‐桜庭 大雅‐
「はい、桜井です」
「そっか、同じ学校だったんだ。
懐かしいね、元気そうでよかったよ」
……って、おい。 なんで急に二人で盛り上がるの?
つーか面識ありだったわけ?
昔と全然違うのに、朔ちゃんは一発でサクライ アヤに気付いたわけ?
「…朔ちゃん、知り合いだったの?」
「あ、うん。中学の時、時々会って話してたんだ」
…なんだそれ。
つーか綾ちゃん、朔ちゃんのこと見ながら顔真っ赤にしてるし。
あー…つまり、綾ちゃんは朔ちゃんに惚れてるってこと?
………。
「…ごめん、先帰るわ。
あぁ朔ちゃん、この子のことよろしくね」
「え?」
「久しぶりに会ったなら話したいこともいっぱいあるっしょー?
だからお邪魔虫は退散!
綾ちゃん、今度はもっと高級なお店でご飯しようね」
…まぁ、今度は無いかもしれないけど。
「じゃーねー」
と全員に手を振って、そしていつものように笑ってファミレスを後にした。