【完】サクラのうた ‐桜庭 大雅‐
「…いや、あのさ…、なんで急にそんな話になんの?」
「だって見てみたいじゃん、お前とあの子が出会った場所。
それにさぁ、ピチピチの女子中学生に会えるかもしれねーし?」
……あぁうん、山ちゃんは絶対、前半より後半の方が目的だ…。
「山ちゃんみたいな危ない奴、連れていけねーよ」
「大丈夫、すげー真面目な顔して行くから」
「それはそれで怖いだろ」
「あはは、まぁ気にすんな。
んじゃ、善は急げってことでー行きますか!」
…は?
え、行くって…今から、ってこと?
「まだ授業中じゃん」
「まぁそうだけどー、気にせず突っ走るのが俺!!」
「…なんじゃそりゃ」
「いいからいいから、行くべー」
……つーことで、山ちゃんと二人で俺の母校へと行くことになった。
カバンは教室に置きっぱなしだから、1時間くらいで戻ってくる予定。
「大雅ー、俺と手ぇ繋ぐ?」
「……繋がねーよ」
…いつも俺が朔ちゃんに言うセリフを山ちゃんが言い、くつくつと笑う。
朔ちゃんごめん、こんなに嫌な気分になるとは思わなかった。
もう言いません。ほんと、ごめんなさい。
「大雅ー」
「…今度はなんスかー」
「喉渇いたー」
…知るかボケ!!