【完】サクラのうた ‐桜庭 大雅‐


出会った日…、いや、正確には「再会した日」か。

…あの日から俺は、綾ちゃんのことばかりを思ってる。




“私、桜庭先輩のことが好きですから。”




…サクライ アヤ。


あの時の言葉がホンモノなら、他の男となんか笑い合うなよ。




……俺だけを見とけよ、馬鹿女。




「なぁに黄昏てんだよ大雅ちゃん?」

「………」


…龍輝が隣に来て笑い、その後ろには当然のように朔ちゃんが居る。


「こんなとこでボーッとしてるなんて、らしくないじゃん」

「…俺だって考え事くらいするから。
馬鹿龍輝と一緒にしないでよ」

「あはは、どうせ俺はなーんも考えてねぇ馬鹿だよ」


…自分が馬鹿だって自覚あるのか。

つーかそれで笑ってるとか、ほんっと龍輝って馬鹿だなぁ…。




「…ねぇ龍輝。 俺さぁ、ずっと前から真由ちゃんのこと好きだったんだよね」

「あー、知ってる」

「…本気で好きって意味だよ?」

「うん」


…知ってたのかよ。




「知ってたけど、お前が何も言わないから俺も言わなかった。
まぁ、言われたからってアイツを渡すつもりはねぇけどな。
つーか、アイツが俺から離れないし?」

「…やだねぇ自信満々の天然馬鹿」

「あはは、だってほんとだもん」


…まぁ、確かにそうなんだけどね。




「んで? 真由にコクりたくなった?」

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