キミが好きなだけ。
私はうまく話せないのに、なぜか久実とは仲良さげに話してる爽太。
それがいつのまにか嫉妬心に変わっていた。
「爽太なんて、キャバクラ嬢の女の子とチュッチュして遊んでればいいじゃん!!」
自分の口から出た最悪の言葉だった。
「お前、あとでぶっ殺すからな!!」
「ぶっ殺せるもんならぶっ殺してみろ!!バカ爽太!!」
その日に、私と爽太の仲が崩れた。
これも全て私のせいだ。
「ねぇ久実、謝ったほうがいいかな?」
「うちは謝ったほうがいいと思うけど、最終的に決めるのは沙綾だよ?」
「そうだけどさー、絶対許してくれないよ…。」
「大丈夫だよ~、あんたたちの事なんだから謝ったら絶対許してくれるって!」
「うーん。」
私と爽太は、普段からケンカすることが多く、私から謝ることが多かった。
だけど、謝るたびに爽太はとぼけた。
『え?なんのこと?』
『俺、もう気にしてねぇよ?』
そんな爽太も好きだ。
「うーん、じゃあ謝る!!」
「沙綾なら、絶対大丈夫だよ!!」
私は謝ることにした。
爽太は許してくれるだろうと信じて…。